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安い浴衣と高い浴衣の見分け方│安く見えない浴衣を選ぼう!
2019.05.08安い浴衣と高い浴衣では、生地の質や着心地に違いが現れます。安く見えない浴衣を選ぶためには、生地の種類や縫い仕立ての違いなど良い浴衣の見分け方を知っておくことが大切です。
そこで今回は、安い浴衣と高い浴衣の見分け方について詳しく紹介します。安く見えない浴衣を探している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.安い浴衣の特徴について
市場には安い浴衣が数多く出回っています。同じくらい安い浴衣でも、素材・デザイン・縫い方はさまざまで、安くても質が良い浴衣もあれば安いだけで質が劣る浴衣もあります。
安く見えない浴衣を選ぶためにも、安っぽく見える浴衣の特徴を理解しておきましょう。
1-1.生地の質
安い浴衣の生地は、高い浴衣と比べると薄くて着心地が劣るものが主流です。
浴衣は生地が薄いと安っぽく見えたり、厚みがありすぎればごわついて体に馴染まなかったりします。浴衣は、生地の質によって見栄えや着心地が大きく変わるのが特徴です。
そのため、生地の薄さや体へのフィット感で、安い浴衣か高い浴衣かどうかが一目でわかってしまう可能性があります。
1-2.デザイン・柄がプリント
安い浴衣の多くは、デザインや柄がプリント加工になっています。
昔ながらの方法で職人が柄を染め出している浴衣は値段が高く、そのぶん柄の出方が美しく上品な仕上がりです。
量販されている安い浴衣は、定番のレトロ柄や古典柄だけでなく、蝶柄ブルーやバラ柄ブルーのようにおしゃれでかわいいデザインもたくさんあります。
しかし、プリント加工が丁寧にされていないと実際に着たときの柄の出方が不自然になることがあります。
1-3.縫い仕立て
安い浴衣は、コストを抑えるためにミシンで縫われています。
ミシンによる仕立ては表に縫い目がはっきり出てしまうため、手縫いの浴衣と比べると仕上がりの美しさには差が出やすいポイントです。
ただし、安い浴衣でもオールミシンではなく襟元などの目立つ部分を手縫いで処理していることもあるため、見た目がきれいなものを選ぶようにしましょう。
表から見える部分にミシンの使用によるヨレなどが発生している浴衣は、どうしても安っぽい印象を与えてしまうため選ぶ際には注意が必要です。
2.浴衣選びで失敗しないためのコツ
安い浴衣を選ぶときは、素材・手入れのしやすさ・着るタイミングを意識しましょう。
浴衣の素材は、主に綿・麻・ポリエステルの3種類に分類されます。
- ■綿
綿は汗を良く吸ってくれて肌にまとわりつかず、サラッと着ることができる素材です。高い浴衣は綿が使われているのが一般的で、「コーマ」「綿絽」「綿紅梅」など透け感や模様によってさらに細かく分けられます。 - ■麻
麻はもともと綿が普及する以前に庶民に親しまれていた素材です。綿と同様に吸水性に優れていて、発散性も高いため夏や汗をかくことが多い人にも好まれます。 - ■ポリエステル
ポリエステルはシワになりにくく肌触りが良く、光沢やハリ感も抜群の素材です。サラリとした肌触りで、シワになりにくく速乾性に優れています。
手入れのしやすさを比較すると、生地が丈夫で洗濯やアイロンがけをしやすい綿は浴衣に最適な素材であることがわかります。ただし、縮むこともあるため、ドライクリーニングが必要な浴衣もあります。
麻はシワになりやすいため、洗濯後は素早く干して形を整える必要があります。また、汗がついたままにしておくと黄ばみが起こりやすいのがデメリットです。
毎回洗濯するのが大変という場合は、部分的に手洗いをしたり汗が付着した部分を手ぬぐいで挟んでスチームアイロンをかけるという方法もあります。
ポリエステルは洗濯に強く、自宅で手入れがしやすいのが魅力です。汚れることを気にせず気軽に着ることができるため、若者向けの着物や袴にも使われています。
さらに、昼間に浴衣を着る場合、気温が高くなることや下着が透けることも考えて素材を選ばなければなりません。昼間のお出かけに浴衣を着ていく際は、吸放湿性に優れていて透けにくい素材を選ぶと安心です。
夜間は日光に透ける心配がないため、多少目の粗い素材や淡い色合いでも透け感をカバーできます。夜間は昼間より気温が下がりますが、それでも夏の暑さを考えて過ごしやすい素材を選ぶことが大切です。
3.浴衣が初めての方でも綺麗に着こなすコツ
ここまでは、安い浴衣の特徴や浴衣選びで失敗しないコツを紹介しました。
続いては、実際に浴衣を購入後、浴衣初心者が美しく浴衣を着こなすために、特に注意したい良いポイントを紹介します。
夏の雰囲気を盛り上げてくれる浴衣はどのように着れば良いのでしょうか。
3-1.襟元が着くずれしないコツ
浴衣を着たときに襟元の着くずれを防ぐためには、はだけさせずにしっかり合わせて着付けることが大切です。襟の合わせ部分を首の付け根のくぼんだあたり(鎖骨の上)にすると、綺麗に見えるだけでなく着くずれが起こりにくくなります。
顔のすぐそばにある襟元は、どうしても人の目が行きやすいため着こなしに注意しましょう。また、襟の重ね方は「右前」が鉄則です。自分から見て襟の右側が手前にくることを「右前」といいます。
3-2.綺麗に見える着丈の長さ
浴衣の着丈は、くるぶしが見えるあたりの長さがベストです。
着物は浴衣よりも着丈が長いため、くるぶしだと短く感じる人もいます。着物と浴衣の着丈の長さには違いがあることを知っておきましょう。
着付けの際には、鏡を見て着丈の長さをチェックすることが大切です。
3-3.上品に見える襟の抜き具合
浴衣を着たとき、襟の抜き具合は「げんこつ1個分」が目安です。
襟の抜きは、粋な浴衣の着こなしに欠かせません。上品かつ美しく浴衣を着こなすためにも、襟の抜き加減を意識しましょう。
ただし、襟の抜きが大きすぎると着くずれの原因になることもあります。げんこつ1個分をベースに、抜き具合を調節するのがポイントです。
3-4.おはしょりの適切な長さ
浴衣のおはしょりは、指4本分の長さが理想です。
着物や浴衣の長さを調節する際にウエストのあたりで折り返した部分を、お端折り(おはしょり)といいます。
着丈よりも浴衣の丈が長い場合、おはしょりによる長さの調節が必要です。フリーサイズの浴衣を購入した場合、身長によってはおはしょりをしないとバランスが悪くなってしまうこともあります。
おはしょりは見栄えに大きく影響するため、360度チェックして長さやバランスをしっかり確認しましょう。
4.浴衣が美しく見える歩き方と座り方のコツ
安い浴衣でも歩き方や座り方によって、上品な印象に見せることができます。
ここからは、浴衣を美しく見せるコツやポイントを見ていきましょう。
〇歩幅を狭めて内股で歩く
浴衣を着ているときは、自分の足のサイズ程度を目安に歩幅を狭くして歩くのがポイントです。大股で歩いてしまうと、女性らしさが失われるだけでなく裾が乱れて着くずれの原因となります。
〇ヒザの間に隙間を作らない
浴衣を着て歩くときは、ヒザの間に隙間を作らないようにしましょう。階段や段差がある場合は、裾を少しだけ持ち上げると上りやすくなります。
〇手を大きく振らない
せっかく着付けた浴衣も、手を大きく振ってしまうと着くずれが起こりやすくなります。軽く肘を曲げるようにして体に添わせるのがポイントです。
手を肩より上にあげないのが理想的ですが、どうしても肩よりも上になってしまうときには袖口を反対の手で押さえるようにしましょう。
〇重心をやや前におき、かかとを落とさない
裾の汚れを防ぎ足首を美しく見せるためにも、浴衣を着ているときは重心をつま先にするイメージで立ちましょう。かかとを落とさないようにすることで、階段でも裾を踏むことなく歩くことができます。
座るときは浅く腰掛けるのがベストです。椅子に深く座ったり背もたれに寄りかかったりすると、着くずれや髪のセットが乱れる原因となります。
5.安い浴衣に思われないためのアクセサリー
安い浴衣を華やかに高見えさせるためには、アクセサリーでアクセントをつけることも、着こなしのランクを上げる一つの方法です。
最後に、浴衣姿をより魅力的にしてくれる便利なお役立ちアイテムを紹介します。
5-1.飾り紐
飾り紐は、細い紐をねじったり三つ編みにしたりしてガラス細工やビーズ、小花のモチーフなどをあしらっているのが特徴です。結び目は背中部分の帯のなかに隠します。
安い浴衣も飾り紐のアクセントでグッと華やかな印象となります。また、着くずれの防止にも効果的です。
5-2.兵児帯
ふわっとした生地の兵児帯は、子供から大人まで使える浴衣に映える定番アイテムです。「フラワー結び」「リボン風結び」のようにボリュームアップできて半幅帯よりもインパクトがあります。
兵児帯だけで使うこともできますが、アクセントとして半幅帯や作り帯と一緒に使う方法も魅力的です。
5-3.帯飾り
帯飾りは、帯に挟んで使うアクセサリーです。根付のように細い板がついているものが一般的ですが、クリップで留められるタイプの帯飾りも人気があります。
クリップタイプならヘアアレンジや巾着につけて楽しむこともできるなど、使い方の幅が広がるアイテムです。
6.まとめ
安い浴衣は、生地の質や縫い方が高い浴衣よりも劣ります。安い浴衣を購入する際は、素材や手入れのしやすさもチェックすることが大切です。
安い浴衣でも、立ち居振る舞いを工夫したり華やかに見えるアクセサリーや小物を上手に使ったりすることで、安さを感じさせない高見え浴衣に変身させることができます。
浴衣姿は女性らしさをアピールする絶好のチャンスです。自分好みのデザインの浴衣や華やかさをプラスしてくれるアクセサリーを選んで、浴衣でのお出かけを楽しみましょう。