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着物レンタル店はどう選ぶ?良質を見分けるポイントは
2019.02.10成人式や卒業式、冠婚葬祭、旅行での和装体験など、着物を着る機会は多くあります。着物の購入は高額なイメージがありますが、レンタルであれば比較的リーズナブルに着物を楽しむことが可能です。
ただ、着物をレンタルできるお店は多く、取り扱っている着物の種類やプランはそれぞれ異なります。せっかく着物を着るのであれば、なるべく予算内で自分の希望に合ったお店を選びたいところです。
そこで今回は、着物レンタル店選びの比較ポイントや、良質な着物の見分け方について解説します。着物のレンタルを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 1 1.着物をレンタルできるお店の種類|メリット・デメリット比較
- 2 1-1.ネット着物レンタル店
- 3 1-2.呉服店
- 4 1-3.衣裳店
- 5 1-4.振袖専門店
- 6 2.レンタル前にチェック!良質な着物を見分けるポイント
- 7 2-1.生地の裏が白い
- 8 2-2.着物が重たい
- 9 2-3.袖の内側にある振りに「振り口布」があるか
- 10 2-4.刺繍があるか
- 11 3.優良な着物レンタル店を選ぶための比較・注意ポイント
- 12 3-1.希望の内容や予算を考慮してくれない
- 13 3-2.勧誘が強引・その場で契約を決めさせてくる
- 14 3-3.料金の内訳がわからない
- 15 4.まとめ
- 16 あなたにオススメのプラン
- 17 合わせて読みたいコラム一覧
1.着物をレンタルできるお店の種類|メリット・デメリット比較
全国にある着物レンタル店にはさまざまな種類があるため、違いがわからないという方も多いでしょう。
そこでまずは、それぞれのお店の特徴やメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
お店ごとに特色があるため、着物を使うシーンや予算により、上手に使い分けると良いでしょう。
1-1.ネット着物レンタル店
メリット | ・価格が安い ・入店の心理的ハードルがない ・ネットからお店を簡単に比較できる ・流行のデザインや好みの色をすぐ探せる ・宅配で返却可能 |
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デメリット | ・着付けやメイクは料金外であることが多い ・実際の色味やサイズ感は商品が届くまでわからない ・人気の着物は予約が取りづらい |
ネット着物レンタル店は、インターネット上で着物を簡単にレンタルできるお店です。
冠婚葬祭に使うフォーマルなものから、ちょっとしたお出かけに使えるカジュアルなものまで、さまざまな種類の着物が取り揃えられています。
メリットとして真っ先に挙げられる点は、「価格の安さ」です。
着物の実店舗に入るのは敷居が高いと感じる方でも、ネットなら簡単に流行のデザインや好みの色を探して注文することができます。
着物の返却も郵送で行えるため、返却のために実店舗に行く手間がかかりません。
しかし一方で、いくつかデメリットもあります。
ネットレンタルには、着付けやメイク・ヘアメイクなどはセットプランに含まれていないケースが多く、出張で着付けをしてくれるサービスは料金が高くなる傾向にあります。
また、実際の色味やサイズは届くまで確認できず、実物を見たらイメージと違った、というケースも珍しくありません。
さらに、人気のデザインや柄の着物は、時期により予約が取りづらいことにも注意が必要です。
特に振袖のレンタルを考えている方は、なるべく早めの予約を心がけましょう。
1-2.呉服店
メリット | ・商品数が多い ・お得なサービスや特典がついている ・地域に根ざした老舗が多い |
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デメリット | ・社名の知名度が低い ・口コミや評価を確認しにくい ・チェーン店では品質にばらつきがある |
呉服店は、着物や反物を専門的に扱っているお店です。
着物のレンタルだけでなく販売も行っているため、気に入ったものがあれば購入もできるほか、取り扱っている着物の種類が豊富である点が特徴です。
呉服店の大きなメリットは、「商品数の多さ」です。
晴れ着はもちろん、浴衣や訪問着などを扱っているお店も多く、着付けやスタジオ・式場での前撮りなど、嬉しいサービスを提供していることもあります。
一方でデメリットとなる点が、地域外での知名度が低い場合があるということです。
呉服店の中でも比較的知名度のあるチェーン店では、お店により質も大きく異なるため、質にこだわる方は、事前にお店の人としっかり相談することが必要です。
1-3.衣裳店
メリット | ・レンタル専門店のノウハウがある ・接客が丁寧 ・前撮りや着付けがプランに含まれている |
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デメリット | ・レンタル価格が高額 ・専門店に比べると種類が少ないことがある |
衣裳店は、成人式や結婚式に使える衣装などを幅広くレンタルできるお店です。
和装だけでなく、ブライダル衣装などの洋装も扱うお店が多いことが特徴で、個人はもちろん、カップル向け・家族向けなど利用者も多いです。
衣裳店のメリットは、「ノウハウが詰まった接客を受けられる」ことです。自身に似合う色やコーディネートについて、プロのスタッフから丁寧なアドバイスをもらうことができます。
一方でデメリットとなる点が、価格設定です。プロのスタッフや丁寧な接客が受けられることから、比較的料金が高くなる傾向にあります。
また、お店により和装の数が少ないこともあるため、事前にお店をチェックしておくと良いでしょう。
1-4.振袖専門店
メリット | ・高品質でバリエーションのある振袖が揃っている ・リーズナブルな価格設定 ・駅からアクセスが良い店舗が多い ・必要な物が全て付いたフルセットプランも多い |
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デメリット | ・人気のある振袖は売り切れるのが早い ・振袖以外の着物は借りられない |
振袖専門店は、未婚女性の正装である「振袖」を専門的に扱っているお店です。
振袖専門店は、「専門店ならではの豊富な品揃え」が特徴であり、最も大きなメリットです。スタンダードな古典柄から人気のトレンド柄まで、品質の良い振袖が多く揃っています。
価格も数万円からと高すぎない料金設定となっており、必要な小物の一式セットや、写真撮影がセットのプランも多いため、お得に振袖を楽しむことができます。
一方でデメリットとなる点が、成人式前など振袖の需要が高まる時期は、人気の商品が早々に先約済みとなってしまうことです。
そのため振袖の着用を検討する際は、なるべく早めに電話やWEB予約を行う必要があります。
2.レンタル前にチェック!良質な着物を見分けるポイント
せっかく着物を着て楽しむのであれば、質の高い着物で特別感を味わいたいところです。
ただ、ぱっと着物を見ただけでは、着物の質を判断するのが難しいでしょう。
レンタル前にチェックできる「良質な着物を見分けるポイント」をしっかり押さえておくことで、着物選びに失敗してしまう可能性を減らすことができます。
ここからは、良質な着物を見分けるための4つのポイントをご紹介します。
2-1.生地の裏が白い
着物を選ぶ際は、生地の裏側をしっかりチェックしておきましょう。
生地の裏側が白い着物は、「インクジェットプリント」もしくは「型染」で仕立てられています。
インクジェットプリントとはいわゆる機械印刷であり、型染とは木型や紙型などを利用して染める手法です。どちらも手描き染めとは異なり、大量生産が可能です。
しかし最近では、生地の裏側にもしっかりプリントされている着物もあり、素人が判断することが困難な場合もあります。この場合は、お店のスタッフに聞くことが最も早くて確実だと言えます。
2-2.着物が重たい
原料や糸の量、着物そのものの種類などによって異なりますが、一般的には「重い着物は質が良い」と言われています。
その理由には、以下の4つが挙げられます。
・原料である生糸が太くて強い
・目の詰まった複雑な織り方をしている
・裏地までしっかりした生地が使われている
・凝った刺繍や細工が施されている
すべての着物が重いほうが良いというわけではありませんが、重い着物は、正絹など良い生地がふんだんに使われていたり、刺繍や細工に工夫されていたりと、基本的に質の高いものが多いです。
もちろん、「軽いほうが快適に動きやすいから好ましい」という方は、重さにこだわる必要はありません。
しかし、快適さよりも着物の質にこだわるという方は、着物の重量も一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
2-3.袖の内側にある振りに「振り口布」があるか
着物の袖の内側には、大きく開いた「振り」という部分があります。
この振りの部分に「表面の生地の柄と同じ生地」で仕立てられている着物は、良質と言われています。この振りの中の生地のことを「振り口布」と言います。
着物の着用写真などには振りがはっきり目立つような写真が少なく、振り口布までこだわる方は少ないですが、腕を動かす際など意外と目立つ部分です。
胴裏地が見えている振りよりも、表面の生地の柄と同じ生地で仕立てられた振り口布は見栄えが良く、上品さも演出します。
これまで振りや振り口布にこだわらなかった方も、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
2-4.刺繍があるか
プリントだけでなく、花や柄の一部に刺繍がある着物は良質と言えます。
金糸や銀糸が使われている着物は高級なものが多く、おめでたい席のふさわしい晴れ着としても人気です。
また、刺繍の入った着物は高級感が出るだけでなく、上品さもさらに増します。自身のイメージや好みに合わせて、刺繍入りの着物を選んでみましょう。
3.優良な着物レンタル店を選ぶための比較・注意ポイント
最後に、優良な着物レンタル店を選ぶための比較・注意ポイントについてご紹介します。
特別な日を楽しく過ごすためには、気持ちよく着物をレンタルできるお店を選ぶことが重要です。
どのようなお店を選ぶと良いのか、どのようなお店は避けておくべきかをしっかりと押さえて、優良な着物レンタル店を選びましょう。
3-1.希望の内容や予算を考慮してくれない
優良と言える着物レンタル店は、プラン内容や予算などといったお客さんの要望に対してなるべく寄り添ってくれます。
希望予算額を大幅に超える商品を勧めたり、ヘアアレンジやアクセサリーなど、不要なオプションを付けようとするなど、お店の利益のことだけを考えているかのようなお店は避けましょう。
3-2.勧誘が強引・その場で契約を決めさせてくる
「レンタルで〇%割引」「期間限定キャンペーン」などのお得な特典やサービスを行っている店舗は数多くありますが、
悪質なお店の中には、キャンペーン期間を利用して、より高額なプランやメニューの契約を勧めてくるケースがあります。
たとえレンタルであったとしても、着物は決して安い買い物ではありません。
キャンペーン商品以外の着物やオプションメニューを、無理に勧めるお店はきちんと断るようにしましょう。
3-3.料金の内訳がわからない
料金の内訳をしっかりと伝えてくれないお店も、注意すべきパターンです。
なぜなら、必要なアイテムがプランのセット料金に含まれていなかったり、格安と思って契約したにもかかわらず、希望するサービスには追加料金がかかる、という事態になりかねないためです。
そのため、契約する際は以下のポイントをしっかりと確認しましょう。
・何をレンタルできるのか?(着物、帯、小物、下駄など)
・着付けや写真撮影はサービスの中に含まれているか?
・レンタル期間はいつからいつまでか?
・キャンセル料はいくらか?いつから発生するか?
・希望を全て満たした場合、実際に払う金額はいくらか?
自身の希望にぴったり合った着物を見つけるためには、複数の着物レンタル店を比較することが重要です。たとえ店頭で急かされることがあっても、焦って契約することがないように気をつけましょう。
4.まとめ
着物レンタル店が提供するプランのセット内容や料金・着物の品質は、店舗によりさまざまです。
自身の気に入った着物を着て、特別な一日の思い出を作るためには、希望のプランや予算を明確にしてからお店を選ぶようにしましょう。また、悪質なお店で嫌な思いをしないよう、契約時には十分注意することが必要です。
日本の伝統衣装である着物は、着るだけで特別感を味わえる装いです。着物を着て過ごす時間は、素敵な思い出に残ることでしょう。今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひお気に入りの一着を見つけてください。